 |
 |

石鯛の刺身
石鯛の香味清蒸し
チンゲン菜炒め
トマトとニラ卵炒め |
 |
 |
 |
 |

週末の朝、築地へ行く。市場の中はすっかり春だ。いろいろ見て回るうち、いい形の石鯛がぱっと目に入る。千葉で捕れたものだという。値段を訊くと5000円。高いなあといったら、そこは週末の市場、向こうも売り切ってしまいたいのだろう、「お客さん、この石鯛持って帰ってよ」と、どんどん値が下がっていった。これも何かの縁かと思い、買うことにした。我が家では、石鯛といえば半分を刺身にし、あとは中華風の蒸し物にする。たっぷりのせたネギに煙が出るくらい熱した油をかけるやり方は、釣り好きの知人O氏から習ったもの。石鯛が釣れるたびに連絡を頂き、貴重な釣果のお相伴に与っていたのだ。が、そのO氏は数年前に交通事故で亡くなられた。いつものように千葉へ釣りへ向かう途中だった。以来、石鯛を食べる気にはなれず、封印された味になっていた。何回目かの春が巡り、久しぶりに出会った石鯛。それは、しみじみとなつかしく美味だった。
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |

茹で空豆とゴルゴンゾーラ
イカ墨のリゾット
トマトとルコラのサラダ
牡蠣フライ |
 |
 |
 |
 |

スーパーでスミイカを見つけてもちょっと躊躇してしまう。イカの墨煮は食べたいけれど、下拵えに手間がかかるからだ。イカの皮むきは、さすがのヴェネツィアのマンマでさえ面倒がるほど。おまけに指も真っ黒になる---。すると、最近すっかり仕事場での昼食のシェフが板についているイサオ君より、作ってきてあげようかというありがたいオファー。素晴らしい!ブラボーである。夕刻、サラダとセコンドピアットの牡蠣フライだけ用意して、プリモピアットをお待ちする。もちろん、ピノ・グリージョの準備も怠りない。イサオ君作のイカ墨のリゾット、果たしてその出来栄えは、たっぷりとイカの身が入って、アルデンテの具合も申し分なく、それはそれはブラビッシモ。ちょっとした高級ケータリング気分を味わったのでした。

|
 |
 |
 |